2025年5月総会(2025年2月議決権基準日)の調査対象会社は、全国証券取引所上場会社219社のうちプライム市場上場会社86社(監査役会設置会社=42社、監査等委員会設置会社=41社、指名委員会等設置会社=3社)である。
本稿は、調査対象会社の付議議案のうち、①剰余金処分議案、②定款変更議案、③役員選任議案、④役員報酬関連議案の内容を分析し、併せて参考となる事例を紹介するものである。
Ⅰ 剰余金処分議案
1 付議の状況
2025年5月総会の調査対象86社において、剰余金処分議案を付議した会社は52社(60.5%)あった。調査対象会社のうち、剰余金の配当等を取締役会が決定することができる旨(剰余金の配当等を決定する機関の特則。会社法459条参照)を定款で定めていた会社(特則会社)は45社(52.3%)である。なお、本総会の定款変更で特則会社になった会社は1社(ベルク)あった。