2025年12月号(501号)

〈2025年6月総会〉株主総会関係書類における不祥事法令違反等特殊記載事例―2025年6月総会日経500採用銘柄380社

Ⅰ はじめに

 自社(グループ会社を含む)で不祥事が発生したり、法令違反の行為が行われたりした場合、社会的な批判を受けるのみならず、企業活動や企業集団の信用に甚大な被害を及ぼすケースも少なくない。企業としては、グループの管理運営の基本方針に従い、常日頃からコンプライアンスを重視した経営や企業活動を心がけ、企業集団にとって最適な内部統制システムの構築を図っているが、万一、不祥事等が発生した場合は、迅速な対応・適切な情報開示を行い、再発防止を図ることが求められる。

 会社法施行規則では、事業報告の内容について、公開会社の場合、「事業の経過およびその成果」や「対処すべき課題」など、具体的な記載項目を定めているほか、企業集団(会社)の現況に関する重要な事項を記載することを要する(会社法施行規則12019号)。不祥事等が発生した場合、当該会社にとって内容的には触れづらい面もあり、全体の文章の流れの中でどのように挿入し、あるいはどのように表現するか苦慮するところであるが、企業集団の現況に関する重要なものについては記載しなければならないし、世間一般に話題となった問題に対して当該会社がどのような姿勢でいるのか、どのように対処したかを株主に明らかにすることも必要である。事業報告での具体的な記載を見ると、「対処すべき課題」や「その他企業集団(会社)の現況に関する重要な事項」、「内部統制システムの運用状況の概要」に記載している例が比較的多いが、「事業の経過およびその成果」の項目に記載する例も見られる。また、招集通知の冒頭に社長挨拶等を記載し、その中かで不祥事等に触れる事例や株主総会参考書類の参考情報として記載する事例も見られる。

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