有限責任監査法人トーマツ
公認会計士 廣橋里美 公認会計士 栁下直子 公認会計士 立木真理子
Ⅰ はじめに
本連載では、有価証券報告書の記述情報の開示について、3回にわたり分析を行う。
有価証券報告書は金融商品取引法に基づいて作成される企業の年次報告書であり、現在のまたは潜在的な投資家に対して企業価値あるいは企業が発行している有価証券の価値を評価するための情報を提供するために、法制度に基づいて開示される企業情報である。
有価証券報告書には大きく分けて財務情報とそれを補完する記述情報(非財務情報ともいう)が存在する。記述情報とは、「一般に、法定開示書類において提供される情報のうち、金融商品取引法第193条の2が規定する『財務計算に関する書類』において提供される財務情報以外の情報を指す」(「記述情報の開示に関する原則」(以下「開示原則」という))[1]と定義されている。
開示原則1-1によれば、「記述情報は、財務情報を補完し、投資家による適切な投資判断を可能とする。また、記述情報が開示されることにより、投資家と企業との建設的な対話が促進され、企業の経営の質を高めることができる」とされており、記述情報の開示は、企業が持続的に企業価値を向上させる観点からも重要である。
連載第1回の本稿では、2024年4月期~2025年3月期までの有価証券報告書の記述情報の開示の留意点を振り返るとともに、2023年3月期の有価証券報告書から記載欄が設けられたサステナビリティ情報の開示を概観した上で、2025年3月期の有価証券報告書では開示がどのように拡充されたかについて分析する。
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