TMI総合法律事務所
弁護士 磯野真宇
Ⅰ はじめに
本稿では、上場会社において、少数株主による株主総会の招集請求があり、当該請求に係る議案が付議される株主総会が、2024年4月1日から2025年3月31日の間に開催されたもの、もしくは、同期間内に少数株主からかかる請求があったものの、株主総会が開催されないことが確定したものを対象とする(なお、一部例外がある)。
本年は、招集請求があったのは5社であり、前年度(6社)から減少したが、うち2社で株主提案議案が可決し、経営権の交代が実現している。また、会社法316条2項に基づく調査者選任議案も1社で可決するなど、珍しいケースもあった。
Ⅱ 本年の事例の特徴等
まずは、本年の事例の特徴について、簡単にまとめてみたい。